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東京古写真ハンティング(オープンデータデイ2015) - 2015年2月21日 東京 | メモハン

利用データ

イベント概要

「東京古写真ハンティング」は、国立国会図書館が公開する東京の古写真「」を対象に、モバイルアプリ「メモリーハンティング」を活用して、古写真の撮影地をみんなで探すイベントです。

東京の景観はこの100年で大きく変貌しました。100年前に撮影された写真はどこで撮影されたものなのか、すでにわからないものも増えています。しかし、撮影地が確定できれば現在の景観との比較ができるようになります。そして、何が変わって何が変わらないのかを分析できれば、歴史や文化などの研究に幅広く役立ちます。

そこでメモリーハンティングアプリを使って、みんなで撮影地を探します。このアプリはカメラのファインダー上に古写真を半透明で表示することにより、同一地点かつ同一構図の写真を撮影して共有できるだけでなく、撮影時のGPS情報から撮影地を推定することもできます。さらに、写真の構図を合わせるために風景を注意深く観察するようになるため、景観の変化に関する理解が深まるという効果もあります。

なお、写真が撮影されたおよそ100年前と現在との景観の変化があまりに大きいため、現在の地図を見るだけでは場所を特定することが難しい場合があります。そのためアプリからも、以下の古地図を参考地図として使えるようにしました。

主催

スケジュール

本イベントは、「インターナショナルオープンデータデイ2015」の日に、(申込終了)と併催する企画です。午前のイベントで国立国会図書館のデータを使って楽しんだ上で、午後のアイデアソンでよいアイデアをどんどん出して下さい。

10:00 国立国会図書館 利用者入口付近(の前あたり) 集合
10:00-12:00 九段下駅を目標に歩きながら撮影(距離2.5km〜3km)
12:00-12:30 ランチ+意見交換会
12:30-12:45 九段下駅から永田町駅へ移動(地下鉄またはタクシー、希望者のみ)
13:00 国立国会図書館アイデアソン

なお本イベントは、国立国会図書館のアイデアソンに出席しない方でも参加可能です。もし希望があれば、アイデアソンに参加しない方を対象に、午後にも場所を変えて古写真ハンティングを行うかもしれません。ご希望がございましたらご連絡ください。

イベント報告

今回の参加者10名のうち、Androidスマホ保有者が5名、非保有者が5名でしたので、くじ引きで5組のペアを決めました。そして、国立国会図書館を出発する前に、アプリの使い方の簡単な講習会を開催。これから歩いていくコースの紹介も行いました。

そして最初のポイントである三宅坂に移動。課題は三宅坂より司法省を望むの撮影ポイントを探すこと。地形もかなり明瞭に見えますし、それほど難しくはないと思ったのですが、これがいきなりの難問でした。坂を上がるべきか下がるべきか迷った末、早くも5グループがばらばらに動き始めます。下だと思ったグループはどんどん坂を下り続け、何百メートルも歩いて写真ポイントを探していきました。

写真には大きな建物が写っており、これが何か?も問題になりました。写真のキャプションには「司法省を望む」とは書いてありますが、どの建物が司法省なのかは書いてありません。とりあえず古地図を開いて、古地図と構図を見比べながら位置関係を絞り込もうと考えましたが、司法省の場所もいくつかの説が出てきて収拾がつきません。参加者の間で議論が始まるといういきなり白熱した展開となって、この1枚の写真を撮影するだけで20分から30分も時間を費してしまいました。

早くも時間が不足気味になってきたため、途中の候補地はスキップして英国大使館に向かいました。英国大使館については2枚の写真がありますが、2つの門を回って見ても、当時と同じ形の門は残っていないようでした。みんなで英国大使館の前に並んで、門の写真を撮影していきます。大使館の警備員も、何事かと思ったでしょう。しかし、古写真とぴったり合わせることが不可能とわかると、モチベーションが下がってしまう面は否めません。やはり「ぴったり合う」ことの快感は、「メモハン」に不可欠の要素であると感じました。

さて、最終目的地の靖国神社に向かいます。靖国神社は写真の枚数が多いため期待が持てます。まずは、もっとも簡単そうな大村益次郎銅像を試してみます。銅像そのものは残っているのですが、周囲の風景はだいぶ違います。ここでポイントなるのは銅像の人物の向き。どちら方向から撮影すると、人物の向きがぴったりと合うのでしょうか。周囲を動きながら、しゃがんだり姿勢を変えながら、みんなで何枚も撮影していきました。

また靖国神社の写真には、大きな鳥居が写っているものがあります。さすがにこれは簡単だろうと考え、東京九段坂上招魂社に写っている鳥居の方向に歩きます。この写真を見るかぎり、燈籠の向こう側に鳥居があるはずです。しかし現地では鳥居と燈籠の位置関係が合わず、この時代にはなかった門も建っています。こうした景観の変化を前にした時は、写真をどう解釈するかを決めねばなりません。何かが移築(あるいは建て替え)されているのは間違いありませんが、それは鳥居なのか燈籠なのか。どちらが景観においてより不変な物体なのかが議論になりました。近くにいた警備の方に聞いてみたところ、燈籠は明治初期からここにあるものとのこと。となると、むしろ鳥居が動いたのかもしれません。鳥居が不変なのではないかという先入観がありましたが、むしろ燈籠の方が不変なのかも?さらに調査が必要のようです。

最後に九段坂上の燈籠を探しました。九段の常燈にあるように、坂の上から見て左側に、特徴的な形をした大きな燈籠(灯台)があります。しかしその場所に行ってみると、似たような形をした燈籠は道の右側にあります。もしかすると、これも動いたのでしょうか?周囲に説明看板などは見当たりませんでしたが、メンバーの一人がネット検索で、「道路拡張のため移転した」との情報を見付けてくれました。結局、これも100年の間に動いたことがわかりました。

このように東京古写真ハンティングは、この地域の歴史を探る旅となりました。2時間の間に結局3-4枚しか写真を撮影できず、効率的に撮影地の特定ができたとは言えませんが、むしろ写真を読み解きながら回ること自体が楽しいので、体験を通した理解を重視しながら回る計画にする方が良さそうです。参加者の方々からは、知的好奇心を刺激されたといった感想を頂きました。

アンケートの結果

アンケートで得られた意見をいくつかご紹介します。

「メモハン」の多義性

このイベントでも従来のイベントと同様、「メモハン」をやってみて、説明を受けてみて、初めて「メモハン」の考え方がわかった、との声がありました。なぜ「メモハン」は「誰もが理解しづらい」アプリなのか、その理由を再び考えてみました。そして、いわゆる「多義図形」というのが、この問題を考えるヒントになるのではないかと思い付きました。

多義図形の有名なものに、やなどがあります。これら絵の特徴は、1枚の絵に対して2つの解釈があるものの、ある時点では1つの解釈しか見えないという点にあります。例えば「ルビンの壺」は、図と地を反転させるともう1つの解釈が見えてくるのですが、中にはこの反転がなかなかできない人もいて、その人には1つの解釈しか見えません。とはいえ、ひとたび反転の仕方に気付いてしまえば、その後は反転図形の解釈に迷うことがなくなります。つまり、意味の反転に気付けるかどうかが、重要な点になるのです。

では写真における「多義性」とは何でしょうか?写真に関する一般的な解釈は、「真を写す」、つまり世界の様子を記録媒体に写すものという解釈です。ところが、このような通常の解釈に基づく限り、「メモハン」というアプリを真に理解することは難しいように思います。というのも、もし写真が世界の記録であるならば、デジタル世界では写真を世界に戻してあげればいいではないか、というのが自然な発想になるからです。そして、カメラを通して世界に重ねられた写真を眺めるという、拡張現実(Augmented Reality)的世界観から逃れられなくなってしまいます。ARアプリが世の中に山ほどあることも、この世界観が非常に強固であることを示唆しています。この世界観の下でも、「メモハン」の機能を表面的に理解することはできるのですが、ARといったい何が違うのか、モヤモヤした違和感を抱えてしまうことになります。

では、何を反転させるとメモハンを理解できるのでしょうか。それには写真に不可欠のもう一つの要素を考えればいい。それが「撮影者」です。つまり写真とは、より正確に言えば「撮影者による世界の記録」であり、その意味では「撮影者の記録」とも言えるのです。「メモハン」では昔の写真と同じ構図で現在の写真を撮影しますが、この時に再現されるのは、実は撮影対象となる世界そのものではなく、その世界を撮影した撮影者の姿勢である、という点に気づくことがポイントです。つまり、解釈の焦点を撮影者に合わせ、「世界」と「撮影者」を反転させることで、その先に別の世界が見えてくるのです。しかし、写真というメディアでは記録された世界という「図」があまりに強く前面に出てしまうため、記録した撮影者という「地」に気づくことはなかなか困難です。ここが「メモハン」というアプリを理解する上での最大の難関なのではないか、というのが今の私の解釈です。

多義図形は、1つの解釈の裏に隠れてしまったもう1つの解釈に気付くという段階が難しいのですが、いったん多義性に気付いてしまえば意味の反転は容易となり、世界が違って見えるようになります。写真の場合も、世界ではなく撮影者に焦点を合わせることで、異なる見方が生まれてくるはずです。かつての撮影者は、なぜ、ここで、こんな写真を撮影したのだろうか。その時はどんなことを考えていたのだろうか。そんなことを想像しながら撮影していくことで、かつての撮影者とのパーソナルな一体感が深まり、写真を撮影する気分も変化してくるかもしれません(参考:)。

申込方法

「メモリーハンティング」はAndroidアプリです。今のところiOS版はありません。Androidスマートフォン非所持者は、所持者とチームを組んでハンティング体験する計画ですが、応募多数の場合は、Androidスマートフォン所持者を優先するかもしれません。

応募状況に基づき、2月16日(月)に、イベント開催についての詳細な内容をメールでご連絡する予定です。

私が引率することを考えると、参加者数は10名程度ではないかと考えていますが、まだはっきりとは決めていません。応募状況を見ながら考えます。

注意事項

過去のイベント(参考)

  1. 神戸市震災オープンデータの現地調査 - 2015年2月1日 神戸
  2. 神戸市震災オープンデータの現地調査 - 2015年1月17日 神戸